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起業3年目までの教科書 / 大竹 慎太郎

2020/08/19
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点数

82点

感想

とにかく長かった。もう少し短くまとめて欲しかった。
色々な人の考えの寄せ集めのようだが、それでも為になる内容がいくつかあった。難しい言葉を使ったり、様々な書籍からの引用があったりで、著者はかなりの読書家と思われる。
簡単にまとめると、起業するなら安定して手堅くお金を稼げるビジネスで初めて、余裕ができたら一発当ると大きいビジネスをするべき。その他、仕事のやり方、組織の作り方、社員の育て方、採用のやり方、などは著者がしっかり考えて行動しているということがよくわかる内容だった。

クリエイターファースト

エンジニアで組織されているトライフォートでは、営業出身の著者はなるべく裏方の存在であろうと考えた。資金を集め、外部の会社との交渉を進め、人材を獲得し、クリエイターたちがアウトプットを生み出しやすい環境づくりに邁進する。いわばクリエイターファーストの組織・仕組みづくりを心掛けている。

採用後に人の本質は変えられない

「うちの社員はやる気がない」と嘆く社長の話を耳にするが、話は簡単である。採用の時点で「やる気がありそうな人」を採ろうとしていないのだ。
もちろん、マネジメントによって人を育てることは可能であるが、人の本質を他人が変えるのは難しい。だったら採用の時点で、自分が思い描くカルチャーに合致する人を雇うことが最も肝要である。
サイバーエージェントの社員のモチベーションが高いのは「そもそもサイバーエージェントでモチベーション高く働いてくれそうな人を最初から雇い入れてきているから」だ。

仕事の意義

人は「私の仕事は人に喜んでもらえている。社会の役に立てている」と実感できる時に、大きな喜びを感じることができる。
「ただ売れるものを作ればいい」という考えでは、仕事に意義を感じられず「何のために俺はこんな大変な思いをしているのだろう?」と疲弊していってしまう。

命令形のスタイルは受け入れられない

会社のビジョンを社員に浸透させる方法は「朝礼で昭和させろ」でも「額縁に入れて飾れ」でも「社員に抜き打ちチェックしろ」でもない。そういった頭ごなしの命令形のスタイルで、人に何らかの考え方が受け入れられることは難しい。トライフォートの場合、全体会議や業務内の話で「ビジョンに沿った仕事ができているか」と事あるごとに問い続け、人事評価にも入れ込んでいる。

中途採用のオススメの方法

中途採用のオススメの方法は「社員に人を紹介してもらう」ことである。トライフォートでは優秀なエンジニアを紹介してくれた社員に20〜30万円のインセンティブを支払っている。優秀な人は優秀な人を知っている。

創業メンバー

創業時にあなたの会社の中核となる人間は、知り合いの輪を広げる活動の中で精鋭を集めていくしかない。

面接での質問

面接ではどのような質問をしたらいいんだろうか?
「志望動機」「自己PR」「やりたい仕事」などももちろんいいが、特にオススメなのは「履歴書や経歴書の中で、その人にとって何らかの転機になっただろうなという部分について重点的に聞くこと」である。

部下とは質問ベースで会話をする

部下のことを理解し信頼するには、とにかく何を考えているのかを知る必要がある。また、部下に自分の頭で考えて動いてもらうには、上司がすぐにやり方や答えを教えるスタイルではダメ。できる限り質問ベースで会話する。商談後であれば「どうだった?」「何がどうなれば受注できそう?」と質問する。

進捗報告の時期

著者のやり方は次の2ステップである。
1度目は完成予定の半分の時期、2度目は8割の時期。

ちゃぶ台返し

多くの部下の方が経験していると思うが、上司との関係できついことの一つが「突然のちゃぶ台返し」である。製品やサービスが仕上がる寸前になっていきなり上司が介入してきて、やり直しやダメ出しをされる。部下からしたら「もっと早くにいってくださいよ」となる。ちゃぶ台返しが続くと、部下はかなり疲弊することになる。これは朝会などで進捗を共有することで防ぐことができる。

営業とは

著者がサイバーエージェントで経験した営業とは、人に何かを売るという単純な行為ではなかった。人と知り合い、信頼を得ていく中で、そこで育んだ自分の信頼を元に、クライアントに役立つ価値をようやく提供させていただけるようになるという崇高なものだった。

「自分の話を聞いてもらえる」ということ

なぜ人は自分の話に興味を持って耳を傾けてくれる人を、心地よく感じるのだろうか?私にとって長らく大きな謎の1つだったが「サピエンス全史」を読んでその答えにたどり着くことができた。当時の世の中は「お前はこの集団にいていい」とその社会に認められなければ生きていきづらいシビアな世界だったのである。「自分の話を聞いてもらえる」ということは「相手に認められた」とう事を確認できることになるのである。

沈黙を自分から破ってはいけない

あらゆる交渉の場面で、特に相手に決断を迫る場面では「沈黙は絶対にこちらから破ってはいけない」。気まずくなって沈黙を破る人は、言い訳がましい妥協案を口にしてしまう場合が多い。沈黙は、相手が思慮をしている時間なのだ。その時間を奪ってはいけないし、本当に納得のいく決断とは自らの意志で決断したものである。

営業不要

トライフォートには営業専門の部署がない。「これまで培わせていただいた、人との信頼関係の中から自然に仕事の発注をいただいている」からだ。リピーターや紹介、口コミなどから問い合わせをいただくケースも増えている。

先輩を比較する

著者はサイバーエージェント時代、成績の良い先輩と成績の悪い先輩両方に同行し、やり方を比較した。そこで気づいたのが「お客さんの話を傾聴すること」の大切さだった。成績の悪い先輩は、一方的に営業トークをまくしたてていた。

幸せとは

著者は幸せとは、幸せに「なる」ようなものではなく、幸せを日々「感じ続けること」だと考えている。すなわち幸せとは、何かの到達点としてあるものではなく、喜びを感じ続ける「状態」そのもののことであると思っているのである。その喜びの日々という物自体が、すでに人にとっての幸せな状態であると考えているのである。

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