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知らないと恥をかく世界の大問題10 / 池上 彰

2020/10/31
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感想

中国とアメリカの対立の話がメインだった。

一回読んだだけでは頭に入らないので、2,3回は読みたいと思う。

概要

アメリカ

  • 2018年11月の中間選挙で、上院は共和党、下院は民主党が多数派となりねじれ議会となった。
  • アメリカは輸入品に高い関税をかけて貿易赤字を解消しようとしている。
    かつて、各国が関税をかけた結果世界恐慌となり戦争につながった。
  • バイデンが民主党の大統領候補の最有力。
    オバマ政権では副大統領を務めた。
    76歳と高齢なのがネック。

EU

  • カトリックのアイルランドとプロテスタントのイギリス、北アイルランドの1/3はカトリックであり、かつて独立紛争があったがEUができたことで沈静化した。
    Brexitにより再燃しかねない。
  • EUとの間に関税がかかるようになり、イギリスから企業が逃げ出すため、イギリスの産業空洞化が進むことは避けられない。
  • イギリス、ドイツ、スウェーデンで難民の受け入れが問題になっている。

中東

  • アメリカ・イスラエル・スンニ派諸国(サウジアラビアなど)VSロシア・トルコ・シーア派諸国(イラン、シリアなど)という争いになっている。
  • クルド人が住んでいたクルディスタンは第1次大戦後にトルコ・シリア・イラク・イランなどの一部に分割された。
    アメリカは湾岸戦争、イラク戦争、イスラム国との戦いにクルド人を使った。
  • トルコにはクルド人が大勢いるが、独立運動するクルド人を警戒している。シリアのクルド人に対しては掃討作戦を行った。
    トルコはクルド人を支援するアメリカを快く思っていないため、ロシアと接近した。

中国

  • アメリカが中国を敵対視したことで、中ロ関係が改善している。
  • 5GやAI技術はアメリカと中国の2強の戦いとなっている。
  • 中国は格差社会となっているため、国民は平等だった毛沢東の時代が再評価し、習近平は鄧小平を否定し、毛沢東路線へ回帰している。

ペンス演説

2018年10月4日、アメリカのマイク・ペンス副大統領は演説で中国を批判した。

「ソ連崩壊後、我々は楽観主義を持って中国に米国経済への自由なアクセスを与え、自由が経済だけでなく政治的にも拡大することを期待した。しかし、その希望は満たされなかった」

「中国政府は官僚や企業に対しアメリカの知的財産をあらゆる手段を用いて取得するよう指示してきた。多くの米国企業に中国で事業を行うための対価として企業秘密を提出することを要求している。中国共産党は盗んだ技術を使って民間技術を軍事技術に転用している」

ペンス演説はニクソン訪中から続いてきた米中の蜜月関係が終わったということ、いわば中国への宣戦布告といえる。

ファーウェイ問題とは

アメリカは「イランへの経済制裁を守らなかった」「情報の抜き取りへの警戒」
としてファーウェイを排除している。

アメリカはイランの核開発に対して経済制裁をしており、そのやり方は取引に関わった銀行はアメリカの銀行と取引させないというものである。

2017年、香港上海銀行からアメリカに、孟晩舟が経営しているファーウェイの子会社がイランにコンピュータを輸出していると通報があった。
ファーウェイの創業者・任正非の長女でナンバー2でもある孟晩舟は、カナダで逮捕された。

CIAは、様々な通信機器に組み込まれているファーウェイの部品が情報を抜き取るのではないか、あるいは中国からの指令で突然動作を止めることができるのではないか、という疑惑を抱いている。
なぜなら、ファーウェイは中国人民解放軍出身者が設立した企業であり、中国人民解放軍とのつながりが深い企業だから。
米中貿易戦争を仕掛けた一番の狙いはここにある。

アメリカは国防権限法を制定し、アメリカ政府の情報システムからファーウェイを含む中国5社の製品を締め出した。
2020年8月からは、5社の部品を使った製品を使用している世界中の企業とアメリカ政府機関との取引が禁じられる。
ファーウェイの携帯には日本製の部品が搭載されているため、日本企業にとっては政府のファーウェイ排除の決定を支持するのは辛いはずである。

ベネズエラに大統領が2人⁉︎

反米だったチャベス大統領は石油収入をもとにバラマキ政策を行ったため財政が悪化、インフレになった。
2018年のインフレ率は1000万%、年初に百円のモノが年末には10億円になった。
反米国家にお金を貸したのが中国とロシアだった。

2013年にチャベス大統領が癌で死去すると、マドゥロ副大統領が政策を引き継いだ。
国内経済は破綻、治安も悪化し、国民の1割にあたる300万人が難民となって周辺国家に逃げ出している。

マドゥロ大統領は「2019年1月9日の任期まで待っていると負けそうだから」という理由で、2018年5月に前倒しして選挙を実施した。
その際に、対立候補を投獄して立候補できないようにした。

マドゥロは選挙で勝利したものの、野党はこんな選挙は認られないと主張している。
ベネズエラの憲法では「大統領が不在になった場合は国会議長が暫定大統領に就く」ことになっているため、野党は国会議長グアイドを大統領に任命した。
こうして大統領が2人になった。
莫大なお金を貸している中国とロシアはマドゥロを、アメリカはグアイドを大統領として認めており、中ロVS米の代理戦争に国民が翻弄されている。

改正水道法

2018年7月、改正水道法が成立された。
需要なポイントは、水道事業の運営を民間企業が行うことが可能になる点である。

日本と同じ基準で水道水が飲めるのはアイスランド、ドイツ、フィンランド、ノルウェー、南アフリカ、アイルランド、オーストリア、デンマークの8カ国だけ。
海外では水は買って飲むものという認識が一般的である。

水道管の法定耐用年数は40年と定められており、日本では高度経済成長期に一斉に整備されたので、全国で水道管の寿命がきている。
水道管の交換は20mで250万円もかかるため、各自治体は簡単には交換できない。
そこで民間の力を!となったのである。

海外では民営化による問題が起きている。
アトランタでは民営化により水質が悪化、イギリスでは水道料金が3倍になった。
政府は運営権だけ民間業者に売却し、所有権は自治体のままにする「コンセッション方式」を採用するので問題ないとしているが、果たしてどうなのか。

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